体の回復をサポートする理学療法士!!理学療法士が行っている治療とは?!

理学療法士は、病気や怪我によって損なわれた身体機能や運動能力を回復させる為のサポートを担当しています。ここでは、理学療法士が行う事ができる治療について解説していきます。是非、治療の参考にして下さいね。

理学療法士の専門性について

理学療法士

理学療法士は、リハビリの動作を担当するスペシャリストです。例えば、足を骨折してしまい歩行困難な状態になった場合、通常できていた「立つ」「座る」「歩く」の動作をスムーズに行う事ができるようにサポートしていきます。他にも、高齢者になると病気や怪我だけに限らず、筋力や関節機能の衰え等によってもサポートが必要になります。加齢で座る、立つ、歩く、寝返りをうつ等の、日常的な動作を自然に行う事が難しくなってくる場合も多くなってきます。このような場合、理学療法士と言うのは、医療機関や介護老人保健施設等で、高動作訓練を行います。そして、患者一人一人に合った方法で生活復帰ができるようにサポートしていきます。

理学療法士が行う主なリハビリ…

1.運動療法
・関節を動かす訓練
・基本動作訓練(日常生活の基本動作の訓練、車いす・杖・歩行器等を使用する訓練等)
・筋力トレーニングやストレッチ
・持久性の改善運動
2.物理療法
・身体マッサージ
・温熱、寒冷療法
・牽引療法
・電気刺激
・レーザー療法

理学療法士がサポートできる治療について

理学療法士

運動器疾患

運動器とは、骨・関節・靭帯・脊椎・脊髄・筋肉・腱等、人間の体を重力下で支えて動かす器官の総称です。何かの原因で器官が病変して変性した時に、体に痛みや機能障害の症状が現れる事が運動器疾患です。最も多い疾患では変形性関節症で、理学療法士が介入する機会が多い疾患となっています。

運動器不安定症に繋がる…

運動器疾患になると、運動器不安定症にも繋がっていきます。歩行時にふらつきや転倒しやすくなる、関節痛で体勢がよろける、軽微な外傷で骨折する等が、疾患として現れます。運動療法の治療を理学療法士によって行う事で、重篤な運動器障害を防ぐことを目的としています。

脳血管疾

脳血管疾患とは、脳動脈異常が原因で発症する病気です。理学療法士が主に介入するのは、脳梗塞・脳出血・くも膜下出血等です。

呼吸器疾患

呼吸器疾患とは、気管、気管支、気道、肺等の呼吸器に関わる病気です。直接的に理学療法士が介入する事は多くありません。しかし、呼吸器疾患を患っている患者が脳梗塞になった場合等には介入する場合があります。

内部疾患

内部疾患とは、内臓の機能が疾患によって障害が起こり、日常生活が制限される状態の事を言います。身体障害者福祉法で、障害分類の一つとして規定されています。内部障害をもっている人の多くは、健常者と見た目は特に変わりないように見えます。なので、一見パッと見ただけでは疾患がある事が分かりません。

心臓機能障害

心臓の正常機能に障害が生じると、心不全、狭心症、失神発作等を引き起こし、日常生活にも支障が出てきます。代表的な症状には、呼吸困難による動悸、息切れ、胸痛、下肢の浮腫み、倦怠感等が挙げられます。

腎臓機能障害

腎機能障害とは、何らかの原因で腎機能が低下している状態です。これには、色々な要因があります。その中でも代表的な機能障害には、加齢による腎機能低下、糖尿病性腎症、腎硬化症、腎機能に影響を与える薬剤性等が挙げられます。腎機能は一度失うと、元に戻す治療法としては腎移植以外にないため、第一に予防する事が大切になります。
特に、糖尿病性腎症、腎硬化症等に関しては、それぞれ糖尿病、高血圧症治療を適切に行うことで予防する事が可能です。腎機能障害と言うのは、末期症状になるまで自覚症状がほぼ無いので、検診等が必要になっています。また、腎機能障害を指摘されている場合には、必ず放置をしないように心掛けましましょう。

呼吸器機能障害

呼吸器障害とは、体の呼吸機能低下で日常生活が制限される状態の事です。極端に生活制限されてしまう人もいれば、健常者と同様に社会に参加しながら生活を送っている人もいます。なので、呼吸機能障害でも、それぞれの障害者の症状度合いは異なります。

膀胱・直腸機能障害

膀胱直腸障害とは、中枢性や末梢性の神経麻痺が原因となって、排尿機能に障害が起こる事です。また、交通事故では脊髄損傷で障害が生じます。尿閉、残尿、失禁、排尿遅延等の症状が現れ、機能麻痺の度合いで症状にも差が見られます。膀胱利尿筋を支配している副交感神経の骨盤神経を通じて尿意は伝わっています。一方、外尿道括約筋を随意的にコントロールしているのが脳脊髄神経の陰部神経です。
これらの両神経と言うのは、大脳から支配を受けており、脊髄障害で脊髄利尿中枢より上位で損傷している場合には反射が亢進し、少量尿貯留であっても排尿反射が引き起ります。抑制不可能になる為、失禁を起こします。一方、末梢神経が損傷して排尿反射弓が損傷した場合には、膀胱内圧低下で残尿が多くなって横溢性尿失禁を引き起こします。

小腸機能障害

小腸機能障害とは、小腸疾患で消化吸収できない状態の事です。2タイプに障害が分類されており、一つ目は小腸が色々な原因で広範に切除されてしまう事で消化面積が減り消化機能が正常に働かない状態、二つ目は小腸疾患であるクローン病、アミドイローシス、特発性仮性腸閉塞等により吸収面積が減り消化機能が正常に働かない状態です。

ヒト免疫不全ウイルスによる免疫機能障害

ヒト免疫不全ウイルスとは、別名HIVとも呼ばれている病気です。HIVは体内に備わっている免疫機能を破壊していく危険なウイルスとなっています。白血球の一種であるCD4陽性Tリンパ球には、免疫機能の働きを助ける役割があります。しかし、HIVはこの細胞に感染して徐々に細胞を破壊していきます。HIVは主に、血液、精液、膣分泌液、母乳等によって人に感染していきます。粘膜や深い傷からHIVは感染します。なので、唾液、涙、尿等を介して人に感染する事は殆どありません。

肝機能障害

肝機能障害には、血液検査で肝臓異常を表す数値がでる事、肝機能障害で身体に悪影響が生じる事、この2つの状態をまとめて肝機能障害と言われています。従って、実際に自身の体に何らかの異常症状が現れているか否かに関係なく、異常数値がでた場合には広く肝機能障害と認識されています。理学療法士は、障害に直接関与する訳ではなく、廃用症候群の予防、健康や体力の維持・向上、それらの為に運動療法等でサポートします。

小児疾患

小児疾患とは、0歳~15歳までの子供に発症する病気の総称になります。なので、骨折や脳卒中が15歳以下で発症すれば、それは小児疾患になります。大人と子供で同じ病気になったとしても、子供の場合が体の作りが未熟で未発達である為、大人と同様の治療を行う事はできません。なので、小児特有の体を熟知している技術が治療には必要になります。

理学療法士の役割について

理学療法士

身体機能の機能回復・維持

身体機能の回復や維持は、理学療法士の基本的な役割です。その為には、患者にリハビリを行い、可能な限り患者を健常な体の状態に導く事が前提となります。治療手技はもちろん、リスク管理、社会復帰、家族指導等、患者が一人で在宅復帰できるようにサポートをしていきます。

症状の予防リハビリの役割

症状の予防リハビリは、理学療法士の役割でも重要な一つとなっています。これは、病気やケガを治す以前の役割で、病気やケガを未然に防ぐ事が理学療法士の役目になります。